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2011-03-24

昭和8年の京都帝国大学法学部

さてさて、前回のブログを書いたのが昨年一月。
一年以上のご無沙汰になりました、はんのき三人目のメンバー
Take It Easy!のいしだです。

ブログでも常に告知しておりますが今月いっぱいではんのきからは撤退
させていただくことになりました。

思い起こせばはじめて、今の店舗の場所に行った時のこと。
専門学校の学生諸子との工事の事。開店前日の慌しさ。
開店までの慌しさと打って変わった平穏な店番の日々。
各種媒体からの取材、さまざまなお客様。
あんなことやこんなこともあったな、と店であった喜怒哀楽は
今ではすべて懐かしく思えます。

あの店は様々な方の協力で成り立ちました。
お力を貸してくださいましたすべての方に心より感謝申し上げます。

そんなこんなの2年間、あっという間でもあったようにも思えますが
それなりに自分の中には変化をもたらした2年間でした。

ところで、
古書店と新刊書店の違い、というものは縦軸と横軸の差ではないか
と考えています。

新刊書店さんは今と言う時代、横軸でのラインナップで勝負する。
古書店は横軸においては新刊書店さんにかなうわけもありません。
古書店は時代と言う縦軸が最大の強みとなるのではないでしょうか。
江戸期から現代まで、それぞれの時代に作られた本たちの中から選んだものを
棚に並べる。

そこに各古書店の個性、当店の場合だと3人の顔が現れていたと思っております。

ただ、自分の場合は縦軸の分野の本道ではなくちょっとずれた方向にこの2年間で
進んでいきました。

古書ではなく「紙物」と呼ばれる分野です。

活字になり本になったものだけが歴史であるわけはないとおもっています。
普通の一般庶民が生きてきた歴史、そんな生活が垣間見える「紙物」をこれからは
メインとして扱っていこうと考えています。

さて、前置きが長くなってしまいましたがタイトルの話をば・・・


k1

こんな封筒をとある骨董業者から買った紙物の中から発見しました。
中を見てみると・・・

k2

こんな紙が一枚

k3

学生諸子に告ぐ

今回の事件の結果、本学部は不幸にして八名の教授を失ひ甚だしく
教授力を~

この一文でもしやと思い末尾を見てみると昭和八年。
多分そうだろうと思いながら検索してみる

はい、どんぴしゃ。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BB%9D%E5%B7%9D%E4%BA%8B%E4%BB%B6

こちら。滝川事件でした。

滝川の休職処分と同時に、京大法学部は教授31名から副手に至る全教官が辞表を提出して抗議の意思を示したが、大学当局および他学部は法学部教授会の立場を支持しなかった(農学部評議員であった湯浅八郎教授(のち第10・12代同志社総長)が法学部教授会支持を表明しているのは数少ない例外である)。小西総長は辞職に追い込まれ、7月に後任の松井元興総長(理学博士、のちに立命館大学学長)が就任したことから事件は急速に終息に向かうこととなった。すなわち松井総長は、辞表を提出した教官のうち滝川および佐々木惣一(のちに立命館大学学長)、宮本英雄、森口繁治、末川博(のちに立命館名誉総長)、宮本英脩の 6教授のみを免官としてそれ以外の辞表を却下、さらに鳩山文相との間で「滝川の処分は非常特別のものであり、教授の進退は文部省に対する総長の具状によるものとする」という「解決案」を提示した。この結果法学部教官は、解決案により要求が達成されたとして辞表を撤回した残留組(中島玉吉、末広重雄、牧健二など)と、辞表を撤回せず解決案を拒否した辞職組に分裂し、前記6教授以外に恒藤恭および田村徳治の教授2名、大隅健一郎、大岩誠ら助教授5名、専任講師以下8名が辞職という形で事件は決着した(年末には残留組に近かったとされる宮本英脩が復職した)。

京大法学部の学生は教授会を支持し、全員が退学届けを提出するなど処分に抗議する運動を起こし、他学部の学生もこれに続いた(このとき文学部の大学院生・学生のグループで活躍したのが中井正一、久野収、花田清輝、高木養根、古谷綱正らである)。さらに東京帝大など他大学の学生も呼応し、7月には 16大学の参加により「大学自由擁護連盟」、さらに文化人200名が参加する「学芸自由同盟」が結成された。『中央公論』『改造』などの総合雑誌、『大阪朝日』などの新聞は京大を支援し文部省を批判する論説を多く掲載した。しかし大学の夏期休暇などもあり学内の抗議運動は終息、自由擁護連盟も弾圧により解体した。学芸自由同盟も翌年には活動停止状態となったが、前記の中井、久野などこの運動に参加した学生のなかから『学生評論』『世界文化』『土曜日』など反ファシズムを標榜する雑誌メディアが生まれ、自由主義的文化運動は「非常時」下でなおも命脈を保った。

8月末ですから下火になった火をそのまま消そうと法学部当局が個別に学生たちに
送ったものなんでしょうね。

k4

打撃を受けた法学部を閉鎖すべからず、9月12日から講義を開始するから
ちゃんと来いよ!と。笑

で、おもしろいのが

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各方面が同情してくれて新たに講師を招聘できることになったとしてその方々が
あげられてるんですがその上にこの学生が書き込んだんでしょうな、評価が
ついてます。笑。
この人たちが今にまで名を残してる有名な人かは残念ながら知りませんが。。笑

で、最後に

k6

流言浮説に惑わされないように、道を誤らないように、この通告を発する、と。

万人がおもしろいものではないですが、京大法学部関係者、この事件で
発展を遂げたともいえる立命館関係、昭和史、思想史、教育史なんかを研究してる
人には貴重な史料ではないでしょうか。

いくらお金を出しても残ってるとは限らない。あるかもしれないけど古書のように
きちんと管理されていてネットで探せば買えるというものでもない。
これが紙物と古書の最大の差でしょう。
厳密には一点ものではないとは思うけど紙ものは、ほぼ一点ものの世界。

もちろん、その事件のことなんかはネットで簡単に調べられるわけですが
生のものが持つ時代を経てきた重さというものはなんにも変えがたいわけでして。

紙の世界、おもしろいです、ほんとに。

町家古本はんのきの場所はコチラ

町家古本はんのきの3月の店番表はコチラ

Take It Easy! いしだ
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プロフィール

町家古本はんのき

Author:町家古本はんのき
「町家古本はんのき」は、
「古書ダンデライオン」、
「古書思いの外」、
「古書ヨダレ」、
の3人の店主が共同で経営している
古書店です。

住所:〒602-8357
京都市上京区鳳瑞町225

定休日:不定休

営業時間:12時~19時

メール:m.f.hannoki@gmail.com

電話:075-205-3286

店頭にて、古本買取しております。お気軽にお持ちください。

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